芋焼酎の黒麹、白麹、黄麹ってなに?それぞれの麹の特徴

連休には雪の予報が
外は寒くても、おうちで芋焼酎のお湯割りを飲んでぬくぬくしている、ななぴょんでーーーす

酒屋さんに行くと、同じ芋焼酎でも、黒がつくのとつかないのがあったりして、買うときに迷ったりするんだよね

たとえば、お湯割りがおいしい、さつま島美人。こちらのオレンジ色は普通のさつま島美人のラベルなんだけど・・・

こっちは・・・

青いラベルになって、黒島美人になってる

  • さつま島美人と黒島美人
  • 伊佐錦と黒伊佐錦
  • 利右衛門と黒利右衛門

など、いろんなメーカーの焼酎で、黒がつく焼酎とつかない焼酎があるよね

それで、さつま島美人と、黒島美人って何が違うの

今回も、「目指せ焼酎博士」のシリーズだよ

「黒」は、黒麹の「黒」だった

芋焼酎を作るときには、「酵母菌」と「麹菌(こうじきん)」のはたらきが必要だったんだよね

前回の記事、
さつまいもから芋焼酎はどうやってできるの?
も参考にしてね

今の焼酎造りに使われる「麹菌(こうじきん)」は、おもに3種類あるんだ。
芋焼酎では「黒麹(くろこうじ)、白麹(しろこうじ)、黄麹(きこうじ)」の3つだね

黒がつく焼酎は「黒麹(くろこうじ)」が使われている、ってことなんだね。

でもさ、「黒麹(くろこうじ)、白麹(しろこうじ)、黄麹(きこうじ)」の3つって、何が違うのさ

大昔の焼酎は黄麹だった

今では、「黒麹(くろこうじ)、白麹(しろこうじ)、黄麹(きこうじ)」の芋焼酎がそれぞれ手に入るよね
でも昔は、麹菌を自由に選んで焼酎を作っていたわけじゃないんだよ

明治時代やそれ以前の焼酎は、「黄麹(きこうじ)」を使って作られていたんだ。
黄麹は昔から日本人になじみのある菌だったからかな
黄麹は、日本酒だけでなく、味噌や醤油、酢やみりんを作るときも使われているんだよ

でも、日本酒を作るところって、東北とか寒いところが多いじゃない。黄麹は寒いとこ向きなのだ
鹿児島とか宮崎とか、暑ーーーいところで、黄麹を使って芋焼酎を作るのは大変だったんだって

昔の芋焼酎造りは、蒸して砕いた芋に水を加えて、2日~5日放置しておいてから、黄麹を入れて酵母菌を増やし、アルコールが作られる・・・そんな方法だったんだ。
これは、「水もと仕込み」っていって、あったかいところでお酒を作るやり方なんだそうだ

「2日~5日放置して」っていうのがポイントなんだね

実は、この間に「乳酸菌」が増えていくんだ。
乳酸菌の「乳酸」が、ほかの雑菌の繁殖をブロック
だからさつまいもが腐らずに、黄麹と酵母菌がどんどん増えていく
ちなみに、黄麹と酵母菌は強いからだいじょうぶ

ただ、それでも、残暑が厳しい年の芋焼酎造りでは、さつまいもが雑菌に負けて腐っちゃったりして、失敗してしまうこともあったんだ

苦労が台無しになっちゃうなんて、悲しいね

黒麹によって、焼酎造りに革命が

一方そのころ、同じように暑さの厳しい地方で、お酒が作られてたんだよ
それは何かというと・・・

琉球(沖縄)の「泡盛」なのだ。
鹿児島・宮崎よりもっと暑----いところで、なぜ泡盛が作れたのか

それは、麹菌(こうじきん)が、違う種類だったんだ。
泡盛の麹菌は「黒麹(くろこうじ)」だったのさ

そのことが分かったのは、明治の終わりごろ。
じゃぁ、焼酎造りにも「黒麹(くろこうじ)」を使ってみよう、って話になったんだ

黒麹には、黄麹にはない特徴があるのさ

それは、黒麹自身が、「クエン酸」を作り出し、ほかの雑菌の繁殖をブロックできるんだ
暑くても、さつまいもが雑菌で腐ることなく、黒麹と酵母菌がどんどん増えていき、がんがんアルコールが作られる

失敗せずに焼酎を作ることができるようになった、ってことだね

ちなみに、明治の終わりごろには、焼酎造りのやり方も変わってきて、「2段仕込み」の方法が登場したんだ。

「1次仕込み」と「2次仕込み」がある作り方を「2段仕込み」っていうんだよ
2段仕込みについては、
さつまいもから芋焼酎はどうやってできるの?
も参考にしてね

突然変異で発見された、白麹

焼酎の進化は、さらに止まらないよーーーー
黒麹菌(くろこうじきん)の研究をしていたら、突然変異で、白麹菌(しろこうじきん)ができてるのが発見されたんだ

白麹菌を発見したのは、「河内源一郎」ってひと
大正時代の終わりごろ。大発見だね

この白麹も、「クエン酸」を作り出し、ほかの雑菌の繁殖をブロックできるんだ
焼酎の品質も良くなるはずだ、って思われたんだけど・・・

この発見が、学者の間で評価されるまでに、20年以上かかったんだって
何やってんだ学者
あと、黒麹が大活躍してたから、わざわざ新しい白麹を使おう、っていう酒造メーカーがなかったんだね

でも、太平洋戦争のあと、戦後の混乱期も過ぎ去って、昭和40年代になると、白麹が受け入れられるようになっていったんだって。

白麹を使うことにより、芋焼酎は香りがマイルドになり、穏やかで優しい口当たりになったんだ
白麹の焼酎のやわらかい甘さと、ふくよかな味わいで、飽きのこない味。
もうこのころには、多くの酒造メーカーで、白麹の焼酎が中心になっていたんだ

現代の、個性あふれる芋焼酎

焼酎がブームになって、白麹の芋焼酎がたくさん飲まれるようになったんだね
そうすると、今度は、酒造メーカーがいろいろな工夫をして、そこにしかないお酒を作るようになる
つまりはブランド作りだね。

おかげでいろいろな銘柄の芋焼酎が飲めるようになったんだ。
幸せだね

黒麹の新しい芋焼酎

そこで、黒麹の芋焼酎を作ってみよう、なんて話になったりするのさ
でも、焼酎を作っている人たちからすると、黒麹はひと世代昔の焼酎
「今ならもう、洗練された白麹の焼酎が作れるのに、なぜ昔の作り方に逆戻りするの?」
という声もあったらしいよ

黒麹の焼酎は、どちらかというとコクがあり、ハードでガツンとした味わい
濃くて重厚な感じの芋焼酎になるんだ

焼酎造りの原点回帰、ってやつだね。
もちろん、昔の味わいとはちがう、現代人に好かれる、新しい魅力を持った黒麹の芋焼酎もたくさんあるから、より楽しめる、ってことだよね

現代によみがえる、黄麹の新しい芋焼酎

さらに、昔の困難を現代の技術で克服した、黄麹の芋焼酎もできたんだ
黄麹の新しい芋焼酎が、現代によみがえる、ってとこかな。

黄麹の芋焼酎は、日本酒の吟醸香のような華やかな香りのイメージがあるよ

黄麹の芋焼酎の銘柄は少なくて、前田利右衛門や富乃宝山が有名かな。
ななぴょんは、黄色い椿、こいじゃが、黄猿も好き

華やかでフルーティーな感じがする芋焼酎が多いのだ
ぜひ白麹や黒麹の芋焼酎と飲み比べてみてね

黄色い椿は、春限定発売の芋焼酎。
実際に飲んでみた記事も読んでみてね

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